2018.06.30

大学日本代表にまさかの選出。
2人の小兵が世界を驚かせる

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

「ついこの前まで、僕はBチームにいたんです」

 児玉はそう言って笑った。春先まで大学野球部の一軍にすらいられなかった選手なのだ。リーグ戦前にAチーム入りし、「今日いくぞ」とたまたま起用された日本文理大とのオープン戦で結果を残し、そのままレギュラーに定着。2番・遊撃手として全国ベスト4進出に貢献した。

春のリーグ戦から急激なスピードで成長を続けている九州産業大の児玉涼亮 当初、大学日本代表候補に児玉の名前はなかったが、大学選手権の期間中に追加招集されることが発表された。児玉は「本当に自分なのか?」と目を疑ったという。

「バッティングはいつも打てる人はいませんし、守備は自分の持ち味だと思っています。あとは小技と走塁でかき乱すスタイルを貫き通したいです。すごい人と一緒に野球ができるので、勉強します」

 紅白戦では足でもアピールした。米満と同じように試合終盤に代走で起用されると、プロ注目捕手・太田光(大阪商業大)から二盗、三盗を立て続けに決め、三盗時には太田の悪送球も誘って一気に生還。体は小さくてもトップスピードに到達するのが速く、鮮烈な印象を残した。このプレーが大きなアピール材料になったに違いない。

 課題は非力な打撃で、本人も「強化していかないと……」と危機感を抱いている。ただ、大学選手権ではドラフト1位候補の上茶谷大河(かみちゃたに・たいが/東洋大)からタイムリー安打を放つなど、14打数4安打4打点とまずまずの成績を残した。

 文徳高(熊本)時代は1年夏、2年夏ともに熊本大会決勝戦のラストバッターになるなど、熊本では「悲運の男」として知られているという。今でも「高校生」と言っても通用しそうな幼い顔つきだが、そんな小兵が世界を相手にどんなプレーを見せるのか、興味は尽きない。

 また、児玉が「ノックを見て上手だなと思った」と語る上川畑大悟(日本大4年)も大学日本代表に選出。守備力・機動力を重視するのであれば、米満、児玉、上川畑のいずれかがレギュラーショートとして起用されるのだろう。

 落選した選手の中には全国的に名前の知られた選手もおり、ドラフト上位候補の内野手もいた。だが、もちろん落選した選手が米満、児玉らよりも劣ったということではない。これから日米大学野球選手権、ハーレム・ベースボールウィークという国際大会を戦う上で、生田監督が勝つために必要としたのが24名の代表選手だったのだ。