ドラフトもう1人の逸材、安田尚憲は「松井秀喜さんを目指したい」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 代表合宿の様子は、連日、清宮の動向が大きく取り上げられていたが、大学生相手の3試合で最も結果を残したのは安田だった。

「木製バットで、相手も違うなかで打てたことは自信になりました」

 思い返せば、今年に入って安田はいつも打っていた印象がある。センバツ初戦で日大三の櫻井周斗に3三振を喫したが、その後、調子を上げて通算17打数7安打、1本塁打。春の大阪大会でも13打数10安打、1本塁打。また、日本代表として挑んだU18のワールドカップでも34打数11安打(打率.324)としっかり結果を残した。

「ただ、ワールドカップはしんどかったです。アメリカのピッチャーのボールは全然違いました。基本的に動くし、速い。155キロのツーシームなんて、これまで見たことなかったですから」

 ストライクゾーンも外に広く、かつ木製バット。清宮や中村奨成が苦しむなか、安田は安定した技術と適応力の高さを見せつけた。

 安田にチームメイトとして一緒に戦った清宮について聞くと、あらためてその凄さを感じたという。

「バッティングはハンパなかったです。間近でみると、やっぱり凄かったですね。飛距離はもちろんですけど、弾道に驚きました。バッティング練習からかなりの確率で大きな当たりを打つんですが、打球の上がり方が違う。パーンと高く上がって、とらえたら全部ホームランの軌道に入る感じ。ライナー性の打球が多い僕とは弾道が違う」

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