あえて関西のマイナー大学を選んだ男が「低い構え」でドラフトを待つ (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 1年秋、3年春、4年春は首位打者を獲得した。投手レベルの問題はあるかもしれないが、これだけの高打率をコンスタントに残してきたのは、技術力の高さはもちろん、心身のたくましさもあったからだろう

 宮本にはリーグ戦以外で自信を深める対戦あった。たとえば、立命館大時代の桜井俊貴(巨人)からは大学選手権、関西5リーグ決定戦で対戦し、いずれもヒットを放った。また、関西5リーグ決定戦では大商大時代の岡田明丈(広島)とも対戦し、ここでもヒット。さらに、大阪ガスとのオープン戦では酒井知史(ロッテ)からホームラン。いずれもドラフトで上位指名を受けてプロ入りした選手たちだ。

 彼らの球をしっかりとらえることができたことで、「ある程度のボールなら、10回に3回は打てるイメージができた」という。

 打つ以外はどうか。圧倒的なスピードがあるわけではないが、リーグ通算40盗塁以上を記録してきた走力がある。盗塁の技術習得への意欲も高い。

 守備については、いわゆる強肩を売りにするタイプではない。酒井監督が言う。

「プロのショートとしてみれば、スキルもまだこれから。サードとしての守りは十分ですし、この先はセカンドという選択も入ってくるといます」

 宮本自身も同じ考えを持っているが、昨年の大学日本代表の選考合宿で京田陽太(中日)や吉川尚輝(巨人)のプレーを目の当たりにしたことで大きな刺激を受け、「この1年でショートの守りはかなり成長できた」と話す。

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