あの大阪桐蔭にも弱点あり。「勝ちパターン」に見る注目校の戦い方 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

 3季連続4強の秀岳館(熊本)も甲子園での安定した戦いぶりが目につく。鍛治舎巧監督は甲子園通算9勝3敗。昨春は全試合後攻だったように基本的には後攻型だが、先攻で3勝1敗、後攻で6勝2敗とどちらでも同じ勝率をマークしている。

 先制点を挙げると6勝0敗と負けなし。先制されると3勝3敗だが、それでも五分をキープしている。秀岳館でカギとなるのは、終盤7、8、9回の攻撃だ。

 昨夏は4試合19得点のうち、終盤での得点が12点を占めた。今夏の熊本大会決勝の九州学院戦も1対1で迎えた9回表に2点を挙げての勝利。相手は、秀岳館の最後の3イニングの攻撃に耐えられるか。今回は140キロ台後半の速球派・川端健斗、熊本大会5試合無失点の安定感ある田浦文丸という強力な左腕二枚を擁していることも、相手に重圧を与える要因になる。

 夏連覇を狙う作新学院(栃木)は7年連続出場となった。例年通り、夏に仕上げてきた印象がある。小針崇宏監督は甲子園通算17勝8敗。25試合のうち21試合が先攻と、完全な先攻型だ(先攻では14勝7敗、後攻では3勝1敗)。

 先攻で先制点を奪う展開を得意の勝ちパターンにしているため、注目したいのが初回の攻撃。甲子園では13年夏から14年夏にかけて4試合連続で初回に得点している。先制点を挙げると12勝3敗、先制されると5勝5敗のため、初回の攻撃が最大のカギといっても過言ではない。

 ちなみに、今夏もチーム打率.393の強打線だが、栃木大会の三振32は小針監督になってから最多、四死球26は最少で、例年より選球眼はないといえる。相手からすれば、ボール球をうまく使えるかがポイントになりそうだ。

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