なぜ大阪桐蔭は強いのか。指揮官が語った「春の山と夏の山」 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 春夏連覇はもちろん、3連覇、4連覇を期待する声もある。西谷監督も「そういった期待をしてもらえるチームでありたいですし、挑戦できるものならしたいという気持ちはもちろんあります」と意欲を隠さない。

 さらに、来年の夏の甲子園は記念すべき100回大会を迎える。指導者である一方で熱烈な高校野球ファンでもある西谷監督は、記念大会への高ぶりを口にする。

90回大会のときに初めて監督として優勝を経験させてもらいました。その10年前の80回大会では、松坂大輔投手を擁する横浜高校が春夏連覇。やはり記念大会は特別な思いがあります。100という数字を聞くだけでワクワクします。どれだけの盛り上がりになるのか......。その輪の中に入って最後まで戦いたい。単純にそういう思いはあります」

 ちなみに、今年のセンバツ決勝で挙げた白星は、大阪桐蔭にとって甲子園通算50勝目となった。

「私がまだ大学生だった1991年のセンバツで仙台育英相手にノーヒット・ノーランでの1勝が甲子園初勝利。長澤(和雄)監督の時代からつながってきた歴史を感じますし、大阪桐蔭として区切りの50勝目を優勝で飾れたことは嬉しく思っています」

 創部4年目にセンバツ初出場を果たし、その年の夏には全国制覇。衝撃の甲子園デビューから四半世紀が過ぎ、今や全国の球児が目標とする強豪校になった。西谷監督にあらためて「大阪桐蔭の野球とは?」という質問をすると、こんな答えが返ってきた。

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