大阪対決は大阪桐蔭に軍配。
明暗を分けた「ボール1個分の対応力」 (3ページ目)
「ボール1個分広くとは言ってたんですけど、いつもの感覚でやってしまった。振れずに追い込まれる感じになってしまいました」(溝邉)
守備は3本のソロ本塁打を浴び、攻撃は7回まで2安打無得点。このまま終わるかと思われた試合の流れが変わったのは8回裏だった。二死一塁で打席には安田。外角ストレートを2球ファウルして簡単に追い込まれたが、その後の外角球を2球見送ってカウント2−2。ここで大阪桐蔭バッテリーは勝負に出る。5球目に選んだのは内角ストレート。エース・徳山壮磨は渾身の140キロをズバッと投げ込んだが判定はボール。安田は次のフルカウントからの外角ストレートをレフト前にはじき返した。
二死一、三塁で4番の若林が打席へ。大阪桐蔭バッテリーは1ボールから2球内角ストレートを続けるが、2球目が甘く入り、若林はレフト前へ意地のタイムリーを放った。
ここまで内角はファウルを誘うか、見せ球だけ。外に広いゾーンをうまく利用していたが、初めて内角球を続けたのが裏目に出た。疲労と動揺からか、徳山は続く濱内太陽への外角スライダーが狙いよりもやや中に入って左中間へ同点の2点二塁打を許す。7回までは5四球を与えながらも、慎重に外角に配球していた桐蔭バッテリーだったが、内角球を増やしたのが裏目に出て、同点劇につながった。
直後の9回表。振り出しに戻った試合が動いたのも内角球だった。一死二塁で打席には代打の西島一波。カウント2ボールから履正社バッテリーは内角ストレートを選択する。
「真っすぐ(にヤマを)を張られるカウント。ファーストが空いていたし、ボールでいいと思った」(捕手・片山悠)
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