センバツで才能が開花。
秀岳館・川端健斗は
「世代最強左腕」となるか

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 秀岳館(熊本)が果たした甲子園3季連続ベスト4は、史上13度目(12校目)の快挙であり、九州勢として初の偉業となった。

 この春のセンバツでは、2回戦で昨年夏の王者・作新学院(栃木)との接戦を制し、準々決勝では健大高崎(群馬)の機動力を封じ、圧倒的な打力で撃破。準決勝で大阪桐蔭に投手戦の末に敗れたが、その戦いぶりはすでに「甲子園常連の強豪校」の風格すら漂い始めている。

 そんなチームにあり、一段と存在感を増しているのが、背番号10の左腕・川端健斗だ。

この春のセンバツで自己最速となる148キロをマークした秀岳館・川端健斗この春のセンバツで自己最速となる148キロをマークした秀岳館・川端健斗 2年生だった昨年は、春夏合わせて5試合投げ、夏は全4試合に登板し、そのうち3試合が先発だった。鍛冶舎巧監督が「気持ちの上下動が少ないので、安定感がずば抜けている。試合への"入り"が上手なので、リリーフ起用でも淡々と自身のパフォーマンスを発揮できる」と言うように、信頼も厚い。

 昨年秋の段階では、川端の球速は背番号1の左腕・田浦文丸と同じ143キロ。もともと田浦は剛球タイプで、川端は制球力とキレで勝負するピッチャーだった。しかし、この春、川端にある異変が起きていた。

 川端は、初戦の高田商(奈良)戦で自身の甲子園最長となる8回を投げ、5安打、10奪三振、1失点と好投。5回に自己最速となる146キロをマークし、一躍注目を集めた。

 続く2回戦の作新学院戦では7回途中からの登板。粘り強い攻撃を見せる作新打線の前に1点こそ失ったが、前の試合で記録した自己最速をさらに2キロ上回る148キロをマークした。

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