大阪桐蔭、異次元の強さを支える「全国屈指の控え部員」
もし、「現代高校野球の名門校といえば?」というアンケートを実施したら、間違いなく圧倒的な得票数を得るのは大阪桐蔭だろう。
2005年以降で春夏合わせて甲子園優勝4回、37勝7敗、勝率.841という圧倒的な勝率(3月25日現在)。さらにOBには、中村剛也(西武)、岩田稔(阪神)、西岡剛(阪神)、平田良介(中日)、中田翔(日本ハム)、浅村栄斗(西武)、藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)といった球界を代表する選手たちがズラリと並ぶ。
初戦の土佐戦で代打として出場し、内野安打を放った大阪桐蔭の背番号16・森太一
全国から腕自慢が集まり、西谷浩一監督ら指導スタッフの高い育成力でスターへの道を駆け上がっていく。そんな逸材たちがいる一方で、将来を嘱望されて大阪桐蔭に入学しながら、控え選手として過ごしているメンバーもいる。
3月23日のセンバツ初戦、土佐(高知)戦の試合前。大阪桐蔭のシートノックを見ていて驚いたことがあった。
レギュラー二塁手の永廣知紀の次にノックを受けている控え二塁手の動きが、やたらと目立つのだ。打球を追う足運びがスムーズで、捕球体勢から送球までの流れも安定している。高校トップクラスの守備力をもつ永廣と遜色ない動きだった。メンバー表を見ると、背番号16の森太一(3年)とある。
さらに外野ノックでは、中堅手の控えメンバーの動きにもうならされた。左腕から繰り出す低く、伸びていく軌道のスローイングは大会通じてもトップクラスだろう。この選手は背番号15の大石航輝(3年)。さらに驚くのは、これだけの強肩がありながら大石は大会直前の登録変更でベンチ入りした選手ということ。つまり、大会公式ガイドブックには名前も写真も掲載されていないのだ。
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