早実・清宮幸太郎の甲子園出場に立ちはだかる東京のライバルたち (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 右投手では、谷井怜央(やつい・れお/創価2年/176センチ72キロ/右投右打)が筆頭格だろう。

 今夏の西東京大会はシード校ながら初戦(3回戦)で明大明治に0対1で敗れており、その名は東京内でもさほど広くは知れ渡っていない。それでも、潜在能力の高さは東京屈指。キャッチボールの延長のような力感のないフォームから放たれるストレートは、ホームベース付近でも球威が死なない。フォークなど変化球でも三振が奪え、身体能力も高く、いずれはプロスカウトも注目する存在になりそうだ。今秋のブロック大会初戦では、早稲田実と同じ早稲田大学の系属校である早稲田高をノーヒット・ノーラン(7回参考記録)に抑え、幸先のいいスタートを切っている。

 また、すでに清宮と対戦した経験のある因縁の投手たちも再戦に向け腕を磨いている。小谷野楽夕(こやの・がくゆう/日大三2年/182センチ70キロ/右投右打)、柴田迅(しばた・じん/早大学院2年/173センチ63キロ/右投右打)も楽しみな好投手だ。

 小谷野は夏の西東京大会準決勝でリリーフ登板し、清宮を2打席2三振と完璧に封じている。特に2打席目は3球連続で空振りを奪っており、いいイメージが残っているはず。ストレートのスピード・球威は物足りないものの、独特なリズム感のモーションでタイミングが取りづらい。さらに清宮から空振りを奪った縦の変化球が生き物のように動いて落ちる。チーム自体、夏の雪辱に燃えているだけに、早稲田実にとってはやりにくい相手だろう。

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