【高校野球】夏の甲子園で評価を上げた「16人のドラフト候補」 (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 まず名前が挙がったのが、花巻東のエース・高橋樹也(たかはし・みきや)。最速146キロと報道されているが、甲子園では常時135キロ程度。だが、高評価の理由はスピードよりも制球力の高さにある。

「左であれだけ制球力がある投手はなかなかいない。驚くようなボールではないけど、角度がある。完成度の高い投手。3位ぐらいに入ってくるのではないかな」(セ・リーグ球団スカウト)

 東海大相模の吉田凌は1年時から140キロ台後半の速球を投げ、2年夏の神奈川大会決勝では20奪三振を記録するなど、下級生時のインパクトが大きかった分、物足りなさを感じるが、スカウトからは安定した評価を得ている。

「勝つ意識が高いよね。150キロを求めずにコースを丁寧に突くピッチングに徹している。得意球のスライダーは研究されてなかなか振ってもらえなくなったけど、今はそのスライダーを決め球とカウント球で使い分けをして、余裕を持って投げている。隙を与えないというか、ゲームメイクできる投手」(パ・リーグ球団スカウト)

 捕手では、健大高崎の柘植世那(つげ・せな)がセンバツから変わらず高評価を得ている。

「肩がいいし、練習試合で特大のホームランを打ったのを見たけど、パワーもある。それに堂々としているし、いい意味で図太い神経を持っている。高校生は度胸も必要だからそれも大事な要素。ロッテの田村龍弘みたいだよね。田村がプロでやれているのを見ると、柘植もやれると思う」(セ・リーグ球団スカウト)

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