2013.08.15

ワンランク上の投手へ、いま安樂智大が取り組むべきこと

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 済美高・安樂智大が振りかぶらない。センバツ決勝以来の甲子園マウンドとなる三重高戦。初回、先頭打者に対して投じた初球は、セットポジションからの149キロストレートだった。

「セットの方がコントロールは安定するし、(フォームの)バランスも整えられるので」

初戦の三重高戦で甲子園最速タイ記録となる155キロをマークした安樂智大

 2球目は148キロ、3球目も149キロを記録するが、4球目の151キロ外角ストレートをレフト前に弾き返された。2番打者にはバントを失敗させるが、3番の好打者・長野勇斗には、ストレート2球で追い込みながら、3球目の甘く入ったスライダーをライト頭上まで運ばれてあっさりと先制点を許した。

「先頭バッターに打たれて、(左打者への)外のストレートは通用しないと思いました」

 さらに次打者の初球に暴投。2点目も与えてしまった。

 初回から制球重視でいこうとした理由は2つある。ひとつは、同じ2年生のセンバツ優勝投手・浦和学院の小島和哉が仙台育英戦の初回に5四死球などで6失点したこと。試合前、安樂は「(浦和学院の試合は)テレビで見ました。プレッシャーの中での勝負になる。立ち上がりが大事。うまくいけば波に乗れる」と話していた。