大学野球選手権開幕。地方リーグの逸材たちに注目! (2ページ目)

  • 佐伯要●文 text by Saeki Kaname
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 山川は、175センチ95キロのどっしりした体格が生み出すフルスイングから、広角に長打を飛ばせる右の大砲。「球を引きつけて、低い打球を打つことを意識しています」と、山川。プロのスカウトは、「右の長距離砲として貴重な存在」とその打撃を高く評価している。

 2年夏には日本代表として日米大学野球に出場。その初戦で、ノースカロライナ州ダーラム・ブルズ・アスレチックパークの「ブルーモンスター」と呼ばれる高さ約9.8メートルの左翼フェンスを越える満塁本塁打を放ち、パワーを見せつけた。3年夏には大学日本代表候補に選ばれ、強化合宿でプロの二軍や社会人との強化試合に出場。また、12月のアジア選手権では、社会人主体のチームに学生野手としてただひとり名を連ね、5大会連続優勝に貢献している。

 主将となった今春もリーグ戦で打率4割6厘、3本塁打、8打点を記録。指名打者としてベストナインを受賞し、チームを大学選手権進出へと導いた。

 梅野は、攻守のバランスが取れた捕手だ。打者としては、鋭いスイングから勝負強い打撃を見せる。捕手としては、二塁送球1.70秒の強肩が魅力である。プロのスカウトは「打てる捕手。肩は十分プロレベルだし、スイングもコンパクト」と、梅野の攻守を評価している。

 梅野も山川と同じく、日本代表としての経験を多く積んでいる。2年夏には日米大学野球で5試合に出場し、チーム最多の6安打を放った。また、3年夏の強化合宿ではプロ二軍や社会人との強化試合で11打数5安打、1本塁打と実力を発揮した。

 今春のリーグ戦でも打率3割3分3厘と安定した数字を残し、6季連続ベストナインを受賞。リーグ戦は10戦全勝で大学選手権に駒を進めたことで、梅野は「チームもいい状態できている。選手権では一戦一戦気を引き締めて臨みたい」と気合を込める。その梅野が全国の舞台でどんなアピールをするのか注目したい。

 そのほか、走攻守の三拍子が揃った遊撃手・上武大の三木亮(4年)、巧打の遊撃手・近畿大の峰下智弘(3年)らの活躍も見逃せない。

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