【12球団分析・DeNA編】正捕手争いを制するのは誰だ?

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

プロ野球12球団、2016年の戦力分析(2)

 DeNA体制になって5年目、今シーズンからアレックス・ラミレス監督のもと新たなスタートを切る横浜DeNAベイスターズ

 昨シーズンは、前半首位から最下位転落というプロ野球史上初となる不名誉な記録を残してしまっただけに、首脳陣はもちろん選手たちも捲土重来を誓っていることだろう。

昨シーズン、DeNAの捕手として最多の74試合に出場した嶺井博希昨シーズン、DeNAの捕手として最多の74試合に出場した嶺井博希

 このオフの補強は、ドラフトで獲得した新人をはじめ、巨人から戦力外となった久保裕也、ソフトバンクから自由契約となった野手の白根尚貴、そして新外国人のザック・ペトリック(投手)とジェイミー・ロマック(野手)である。

 まず投手から見ていくと、ドラフトでは今永昇太、熊原健人という即戦力を獲得し大いに期待が集まるところだが、未知数な部分も多く、戦力として計算するにはまだ時間を要する。チーム事情を考えれば、おそらく早々にチャンスは訪れると思うが、そこでどんなピッチングを見せてくれるのか。

 未知数という点においてはペトリックも同様だろう。ただ、期待できる点があるとすれば、3Aで28試合に先発登板した2015年の成績。防御率こそ4.52と振るわなかったが、157イニングを投げ奪三振率は6.46、与四球率は1.70と、単純に比較はできないもののNPBのトップクラスの投手と同等の数字を残している。

 140キロ台後半のストレートに加え、カーブ、チェンジアップ、ツーシームの変化球をコーナーに投げ分け勝負するタイプ。データに裏打ちされた制球力の良さを見れば、十分に試合を作ることのできる投手であることは想像できる。あとは日本のプロ野球にいかにフィットするかがカギになりそうだ。

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