ヤクルト「新1・2番コンビ」が挑む、史上2組目の快挙

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ヤクルトの真中満新監督に、今季のバッティングプランについて聞くと、こんな答えが返ってきた。

「理屈からいえば、出塁率が高くて、打てるバッターを1番から並べれば得点する確率が高くなるわけですから。川端の2番は面白いでしょ(笑)。ずっと考えていたんです。初回から送りバントはしたくないので......」

真中新監督の構想で今季2番に入る川端慎吾真中新監督の構想で今季2番に入る川端慎吾

 そう言って、真中監督は「この打線で試合がしたい」という楽しげな表情を隠しきれないでいた。

 真中監督が考える1番から4番までの並びはこうだ。

1番 山田哲人(打率.324、29本塁打、89打点、出塁率.403)
2番 川端慎吾(打率.305、10本塁打、69打点、出塁率.355)
3番 バレンティン(打率.301、31本塁打、69打点、出塁率.419)
4番 雄平(打率.316、23本塁打、90打点、出塁率.372)
※( )は昨シーズンの成績

 そしてこの超攻撃的打線の旗印となるのが、山田と川端の"1・2番コンビ"だ。杉村繁チーフ打撃コーチは、「従来の1番、2番のタイプを考えたら逆の発想だよね」と言い、この打順について説明してくれた。

「この打順は、特にホームランの出やすい球場が多いセ・リーグの野球に合っているよね。オレが現役の頃(70年代後半~80年代後半)は、3割打者はチームにひとりかふたりだったけど、昨年のウチのようにチームに5~6人いてもおかしくない時代でしょ。昔と違って1点を守り切る野球は難しくなっていて、得点を重ねていかないと勝てない。

 1番に3割、30本塁打、30盗塁を狙える山田を置いて、2番に首位打者を獲れる可能性がある川端。川端はボールに当てるのがうまく、三振も少なく、どこ方向にも打てる。そして3番にバレンティンでしょ。つまり、初回からビッグイニングを作りたいということです。相手投手は初回から大変だと思いますよ(笑)」

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