【自転車】片山右京が語る「52歳で210kmを走った理由」

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第84回】

 沖縄県で行なわれた『ツール・ド・おきなわ』への参戦で、2015年シーズンを終了させたTeamUKYO。このレースには、TeamUKYOを率いる片山右京監督も、市民レースの部で参戦した。走行距離は210km。プロライダーと同じ距離に、今年で52歳になった彼はなぜ挑んだのか。本人に話を聞いてみた。

(前回コラムはこちら)

今年の5月で52歳になったTeamUKYO監督の片山右京今年の5月で52歳になったTeamUKYO監督の片山右京 11月8日に沖縄県本島北部で開催された『ツール・ド・おきなわ』に参戦した片山右京は、6時間00分46秒435で完走した。このレースは、プロフェッショナルライダーたちが競う国際レースと市民レースがあり、片山が参戦したのは市民レースの部門だ。「市民レース」とはいっても、総レース距離は国際レースと同じ210kmで、上位選手のレベルは国際レースに参戦していてもおかしくないくらい競技水準は高い。

 6時間に及ぶ長い戦いを終えた片山の順位は「74位」。参加294人中、完走を果たした143名のちょうど真ん中だ。

「まあ、なにを言っても"たら・れば"になってしまうし、反省することも多いけれども、8月に参戦すると決意してからしっかりした走り込みを行なえたのは1ヶ月半だったことを考えれば、『俺はよくがんばったなあ』と思いますよ」

 そう言いながら少し照れたような表情を見せ、レース本番までのトレーニングを振り返った。

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プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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