【自転車】国内王者TeamUKYO、今季最後のレース結果は?

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by Sportiva

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第83回】

 国内シリーズ戦「Jプロツアー」で、個人・団体ともに総合優勝を飾った2015年シーズンのTeamUKYO。今季の最後を締めくくるべく、沖縄県で行なわれた『ツール・ド・おきなわ』に出場した。国内王者として挑んだシーズン最後のレースはどうだったか。

(前回コラムはこちら)

新体制発表から約8ヶ月、2015年のTeamUKYOの活動は終了新体制発表から約8ヶ月、2015年のTeamUKYOの活動は終了 11月8日、沖縄県の北部地域一帯を舞台に、『ツール・ド・おきなわ』が開催された。距離の異なる複数の「市民レース」と、プロフェッショナルライダーたちが参戦する国際レースの「チャンピオンレース」が併せて開催されることがこのレースの大きな特徴で、市民レース、プロフェッショナルの両部門とも、毎年多くの参加者で賑わう。

 初開催は1989年だから、今年ですでに四半世紀以上の歴史を持つ、ということになる。

 このレースの普及と人気に大きく貢献したのが、『シャカリキ!』というサイクルロードレース漫画だ。自転車レースの漫画作品といえば、近年では『弱虫ペダル』が圧倒的に支持されているが、この競技をテーマにした作品で『弱虫ペダル』以前にヒットしたものといえば、誰もが思い浮かべるのが、曽田正人のこの初期作品だろう。

 登場人物が高校の自転車競技部であることは、『弱虫ペダル』とも共通しているが、『シャカリキ!』の場合は後年の曽田作品に見られるような、並外れた努力をいとわない天才がやがて己の才能に開眼し、突き抜けた才能を発揮していく過程が、波瀾万丈のストーリーのなかに巧みに織り込まれている。余談になるが、別府史之(トレック・ファクトリー・レーシング)がプロフェッショナルライダーを目指したキッカケがこの漫画であるのは、つとに有名な話。そして、その作品後半で最大の山場として描かれる舞台が、ツール・ド・おきなわのレースだ。

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プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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