【自転車】TeamUKYOがJプロツアー個人&団体で「2冠」達成

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第82回】

 チーム結成4年目の2015年シーズン、TeamUKYOは国内で圧倒的な力を見せつけた。国内シリーズ戦「Jプロツアー」では、団体部門で2位のマトリックス・パワータグに大きなポイント差をつけて総合優勝を獲得。個人部門でも、畑中勇介がトップの座を守り抜いた。今季の強さの要因はなんだったのか。

(前回コラムはこちら)

今季のTeamUKYOは栄えある「輪翔旗」も獲得(写真は優勝した畑中勇介)今季のTeamUKYOは栄えある「輪翔旗」も獲得(写真は優勝した畑中勇介) 2015年のTeamUKYOは、国内シリーズ戦「Jプロツアー」の個人・団体の両部門で総合優勝を獲得した。個人部門は2013年から3年連続、団体部門は2013年以来2年ぶりの制覇である。

 ただし、レース内容は過去2年と比べると、大きな違いがある。過去2年は、飛び抜けた力を持つ選手がポイントをたくさん稼ぎ、団体部門の結果にも貢献していた傾向が強かった。だが、今年はチームの総合力が過去2年と比較しても、格段に強くなっているのだ。

 それは、2013年から2015年までのレース結果に如実に表れている。

 2013年は全16戦のうち、7勝を挙げた。TeamUKYOはJプロツアー参戦2年目で個人・団体両部門の総合優勝を達成したが、この7勝のうち個人総合優勝を遂げたホセ・ビセンテ(現マトリックス・パワータグ)が3勝を挙げている。この年に彼らが強さを発揮したのは、ビセンテの力に加えて、欧州のプロコンチネンタルチームで長年活躍した土井雪広が加入したことが大きい。司令塔として土井がチームをコントロールし、ビセンテが結果を出す――という展開で、個人部門ではビセンテと土井が「ワンツー」で1年を締めくくった。

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著者プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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