【自転車】片山右京「僕たちは純日本国籍チームを目指す」 (3ページ目)
TeamUKYOも、自転車ロードレースの頂点――ツール・ド・フランスを目指すためには、最低でもプロコンチネンタルチームの資格を得る必要がある。片山は、NIPPOのプロコンチネンタル化をどのように受け止めたのだろう。
「とてもいいニュースだと思ったし、NIPPOさんはいつも僕たちの一歩先を進んでいるチームだから、お手本になるし、良い目標にもなります。ただ、僕たちもやるからには、ただ彼らのマネをしても仕方がないというのも、正直な心境です。
今の僕たちがプロコンチネンタル化を目指すためには、いくつかのハードルがあるのは先に話したとおりで、そのひとつが予算。お金の課題ですね。でも、これはきちんとした事業計画を作って資金を集めれば、大変な金額であるのは事実だけれど、決して不可能なことではない。あるいは、すでに活動しているどこかのプロコンチネンタルチームにスポンサーのような形で参加して、『ついにTeamUKYOもプロコンチネンタルチームになりました!』と宣伝することも、できなくはないと思う」
でもね、と片山は続ける。
「それだと、意味がないんですよ。お金で資格だけ買ったとしても、すぐにレースで集団から千切れていなくなってしまう程度の実力なら、そもそもどの大会にも呼んでくれないだろうし、名前だけどこかのチームに乗っかるだけでは、本場のグランツールに参戦しました……とは、とても胸を張って言えない。
だから、こんなことを言って、かえって自分たちで思いっきりハードルを上げてしまっているんだけど(笑)、僕たちはあくまで、日本人による、日本のチームとして、プロコンチネンタル化を目指したい。もちろん、日本人選手だけで選手やスタッフを組めるほど、現実は甘いものではないことも分かっているつもりです。だから当然、外国人選手やスタッフの力を借りることになるでしょう。でも、TeamUKYOは、『日本人による、日本人のための、日本国籍のチーム』として、欧州のワールドツアーレースに参戦できる集団にしたい。
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