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【自転車】片山右京「それぞれ異なるレーサーのタイプとは?」 (2ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira photo by AFLO

 自転車ロードレースの世界では、そのような選手の特徴やタイプを、「脚質」別に大きく5種類ほどに分類することが多いようだ。もちろん、すべての選手がこれらのタイプに収まりきるわけではない。以下で紹介する脚質の分類は、あくまで便宜上の類型として理解いただきたい。

【スプリンター】
 文字どおり、瞬発的なスプリント力に優れる選手。平坦が基調のステージの際、ゴール前数百メートルに集団でなだれ込んだときには、彼らスプリンターが激烈なバトルを展開する。

 イギリスのリーズで始まった今年のツールでは、初日のゴール手前で、ファビアン・カンチェラーラ(スイス/トレック・ファクトリー・レーシング)が飛び出したのをキッカケに、スプリンターたちのデッドヒートにもつれ込んだ。この瞬発力バトルに勝ったのは、昨年のツールでステージ4勝を挙げたマルセル・キッテル(ドイツ/チーム・ジャイアント・シマノ)。イギリスを代表するスプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(オメガファーマ・クイックステップ)は、このバトルで接触して落車し、肩を負傷。以後のステージをリタイアすることになった。

【ルーラー】
 平地で長距離を高速走行することに優れた能力を発揮する選手。なかでも、単独で一定距離のタイムを競う個人タイムトライアルに秀でた選手は「TT(タイムトライアル)スペシャリスト」と呼ばれる。

 上記のカンチェラーラは、典型的なTTスペシャリストで、タイムトライアル世界選手権で4度優勝(2006年・2007年・2009年・2010年)し、2008年の北京五輪でも金メダルを獲得している。

【パンチャー】
 距離の短い急坂などで、文字どおりパンチのある攻撃を仕掛けることのできる選手。集団を飛び出して積極的に逃げを図ったり、あるいはその逃げを追走して潰しにかかる際にも活躍する。今年のツールに参戦している新城幸也(チーム・ユーロップカー)はまさにこのタイプで、レースの国際映像で彼がフィーチャーされる走りは、典型的なパンチャーのものだ。

【クライマー】
 ときに20%を超える急峻な「激坂」をぐいぐいとペダルを踏んで登っていく姿は、彼らの人間としての性能が飛び抜けて優れていることを何よりも証明するものであり、そんな彼らの山岳バトルは、自転車競技でしか味わうことのできない感動的な場面だ。過去のツールで繰り広げられた伝説的クライマーたちによる数々の名シーンは、いまだに語り継がれている。

 2014年のジロ・デ・イタリアで総合優勝を飾ったナイロ・キンタナ(コロンビア/モビスター・チーム)は、現代を代表するクライマーのひとり。

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