【自転車】片山右京「それぞれ異なるレーサーのタイプとは?」
遥かなるツール・ド・フランス 〜片山右京とTeamUKYOの挑戦〜
【連載・第13回】
現在、ロードレースの本場欧州では、第101回ツール・ド・フランスが開催されている。7月5日にイギリスのリーズからスタートした今年は、7月27日のパリ・シャンゼリゼで終幕を迎える。3年後のツール参戦を目指すTeamUKYOの挑戦を追いかける上で、自転車ロードレースの基礎知識を知っておけば、よりその魅力が分かることだろう。そこで今回は、現在行なわれているツール・ド・フランスの情報を織り交ぜながら、自転車ロードレースの基本的な見かたを紹介する。
ツール・ド・フランス2014の開幕ステージを制したのはマルセル・キッテル(一番左) ツール・ド・フランスなどの長期間に渡って行なわれるステージレースでは、1日当たり約200キロの区間を走行する。日本でいえば、東京〜静岡、あるいは大阪〜名古屋の距離を、自転車の大集団が毎日移動している姿を想像すればいいだろうか。
当然ながら、それだけの長い距離の間には、さまざまな自然地形を走行する。真っ平らな地面が続く場所もあれば、傾斜の急な山道の登坂が延々と続く区間もある。また、細かい起伏を何度も繰り返す区域もあるだろう。これらの日々のコース(ステージ)の特徴によって、例えば今年のツール・ド・フランスは、
・平坦(flat)ステージ → 9ステージ
・中級山岳(hill)ステージ → 5ステージ
・上級山岳(mountain)ステージ → 6ステージ(そのうち山頂ゴールが5ステージ)
・個人タイムトライアル(ITT)ステージ → 1ステージ
と区分されている。
これら各ステージでの駆け引きや攻防については次回コラム以降に紹介する予定だが、コースレイアウトの特徴が異なれば、その各ステージで活躍する選手のタイプも当然ながら異なる。例えば同じような距離を走るランニング競技でも、箱根駅伝のような山登り区間の10キロと、フラットな400メートルトラックを25周する1万メートルでは、選手に要求される身体能力が異なることを想起すれば、それが自転車の世界でも同様にあてはまることは容易に理解できるだろう。
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著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。