【新車のツボ168】スズキ・ハスラー。ニッチなはずが今やド定番のすごいヤツ

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 知ってのとおり、乗用車では大径タイヤで車高をちょっと上げたクロスオーバーSUVが世界中で大流行している。わが日本でも、最近デビューする新商品は、大半がクロスオーバーSUVといってもいいくらいである。

 そんな世の中だから、軽自動車(以下、軽)のクロスオーバーSUV......というと、いかにも売れそうである。実際、軽クロスオーバーのスズキ・ハスラーは常に軽販売トップ10の常連だ。ただ、軽を自社開発するメーカーは今や4社だけなので「そのなかでトップ10といっても、たいしたことない!?」とお思いの向きもあろう。しかし、ハスラーは室内容積がほぼ同じワゴンRより約10万円高価でありながら、ピーク時にはワゴンRよりたくさん売れる。メーカーにとってはおいしい商品なのだ。

 それなのに、軽クロスオーバーはつい最近まで、ハスラーしか存在しなかった。今回取り上げるのは、昨2019年末に発売された通算2世代目にあたるハスラーだが、その前身である初代が発売されたのは2014年1月だった。つまり、今年6月にダイハツがタフトを発売するまでの約6年半もの間、軽クロスオーバー市場はハスラーの独壇場だったわけだ。

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