【新車のツボ167】メルセデスAMG A45S 4マチック+。これがF1なのか...の目まぐるしい速さ

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 モータースポーツの最高峰であるF1の世界で、ここ数年無敵を誇ってきたのは、いうまでもなくメルセデスAMGである。ただ、今でこそ"メルセデスのモータースポーツ&高性能車部門"として広く知られるAMGだが、もともとはまったく別の会社だった。

 AMGの創業は1967年。ダイムラーベンツ(当時)のエンジン技術者だったハンス・ウェルナー・アウフレヒトとエルハルト・メルヒャーに、ハンスの兄であるフリードリッヒを加えた3人が、ドイツ南西部グローザスバッハに構えたガレージがスタートである。アウフレヒト(A)、メルヒャー(M)、そしてグローザスバッハ(G)というそれぞれの頭文字が"AMG"の由来だ。

 レース用エンジンの設計開発会社としてスタートしたAMGは、71年のスパ24時間で、排気量拡大やDOHC化などの高度にチューンしたV8エンジンを積んだメルセデスをクラス優勝(総合でも2位)に導いて一気に名声を高める。同時に「ノーマルに飽き足りない」というメルセデスユーザーの声を受けて、同車のチューニングカー事業もはじめた。

 その後も独自の活動をしていたAMGだったが、1955年のル・マンで大事故以降、モータースポーツから手を引いていたメルセデスが88年に本格復帰。そのときのDTM(ドイツツーリングカー選手権)でメルセデスワークスとして機能したのがAMGだった。

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