【新車のツボ153】ホンダNSX。これぞ、現代の公道を走るF1だ (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 もっとも、NSXのメカニズムを見れば「V6だからV8より安くしろ」というのは、ちょっと酷な要求であることに気づく。NSXの3.5リッターV6ツインターボはそれ単体でも宿敵GT-Rや911ターボに遜色ない性能を達成しているのだが、NSXはそこに3個もの電動モーターを融合したハイブリッドなのだ。

 1個目のモーターは運転席背後のエンジンと9速トランスミッションの間に直結されており、加速のアシストや減速時の回生充電を行ないつつ、さらには変速の瞬間にわずかにトルクをかけて「高級サルーンばりの滑らかなシフトチェンジ」にも貢献するという。

 で、残る2個のモーターは左右フロントタイヤをそれぞれ直接駆動して、市街地での低速発進などでは、2モーターだけで走る電気自動車モード(=前輪駆動!)となったり、サーキットやワインディングではフロントの左右駆動力を自在に可変して、これまでにない安定したグリグリ曲がる異次元のコーナリング性能のために使われるそうだ。

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