【新車のツボ141】スバルXV、
スバルの大黒柱がこの値段は安い!

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 この新型スバルXVは先代モデル(第62回参照)同様に、伝統車形のインプレッサ(以下インプ)の車高をカサ上げして、SUV風のデザインや機能をふりかけたクルマだ。

 新型XVのベースとなったのは昨秋発売の5代目インプだが、その骨格構造には"スバルグローバルプラットフォーム(SGP)"という仰々しい名前がつけられている。SGPはスバルが社運をかけて白紙から新開発したハードウェアで、聞けば「今後10年は全スバルの土台となる」ことを想定しているらしい。

 というわけで、最新のインプはミシリともしない剛性感、生き物のごとく路面に吸いつくサスペンション、なのにまるで路面から浮いたみたいにピタリ水平に安定しきった乗り心地......と、さすが10年先を見据えただけに、新しくてステキな走りを披露する。

 しかも、SGP世代のスバルは、ドアを開けたときに見える敷居や柱の"質感"にまでこだわっているとか。これまでのスバルといえば「中身は凝っているけど、見た目は安っぽい」が定説(失礼!)だったが、今後はその認識もあらためなくてはならなくなった。

 今回の主題である新型XVにも、当然のごとく、そんなインプ≒SGPのツボがあますところなく注入されている。それどころか「どんなハードなカーブでも、ウソにように水平姿勢でド安定」というSGPの本質的なツボは、XVでこそ分かりやすく際立つ感すらある。

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