【新車のツボ62】スバルXVハイブリッド 試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

  今年も夏が終わった。夏が終わるとクルマ業界は一気に冬モードに移行する。すなわち、ウィンタースポーツに似合う"ヨンク"系、今でいうSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)商戦が盛り上がるのだ。

 今やヨンクの総称が"クロスカントリー4WD"から"SUV"に変わったように、昨今はワゴンやミニバンやセダンやスポーツカーとも区別しづらいSUVが多い。なかには普通のコンパクトカーにルーフレールとプロテクター風の飾りをつけただけで、車高も低いままで4WDでもなく、足元は完全な舗装用スポーツタイヤ......なんてシロモノまである。

 というわけで、私が今現在、気になって仕方のないSUVはスバルXVだ。そのXVでもとくにハイブリッドが気になる。

 スバルXVはご覧のとおり実用ハッチバックのインプレッサで、早い話がそのインプレッサの車高をかさ上げしただけである。まあ、もともと4WD自慢のスバルだけにXVも全車4WDではあるが、見た目にはナンチャッテ系SUVの典型みたいなクルマだ。

 この『新車のツボ』では、いつも「サーキットにいかなくても、スポーツカーにやせ我慢して乗るべし」とか「暑苦しいほど本格派でマニアックなのがいい」とか、あるいは「エコなんて知らん!!」みたいなことばかり書いている。その意味では、このXVハイブリッドなんぞは、いつもの"ツボ"の対極にある存在に思われるかもしれない。しかし、私はXVハイブリッドに乗って、確信した。これこそ世界最強のトーキョーグルマである。

 東京といえば、祝2020年オリンピック開催! ......と、それはともかく、新潟県で生まれ育って、今は東京在住のワタシが、東京に雪が降るたびに痛感するのは「この世でもっとも始末が悪い交通環境は、雪が降ったときの東京だ!」ということである。

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