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【新車のツボ129】トヨタ・プリウスPHV
生命力が強い雑食プリウス (3ページ目)

  • 佐野弘宗●文 text by Sano Hiromune photo by TOYOTA


 さらに、プリウスPHVは専用の大型バッテリーを後席背後(普通のプリウスのそれは後席下)に積むために、普通のプリウスより明らかに重い。もっというと、とくにお尻が重い。よって、全体に走りが重ったるいのは事実なのだが、足まわりを巧妙に調律して、その重さをギリギリいい意味で"重厚で高級"と思えるくらいにはしてある。

 内外装のデザインがより立派になっているのも、心理的にPHVを"普通のプリウスより高級"と思わせる効果があるし、そのPHV専用デザインも、斬新な2コブ形状のリアウインドウ(空気抵抗に効く)を採用したりしてインパクト大。しかも、そのデザインが良くも悪くも「普通のプリウスより一般ウケしそう」と思えてしまうのは、トヨタは「今後はPHVこそ本命!」と考えているんでは......とかんぐらせてくれるところもツボである。

 新型プリウスPHVにはもうひとつ、量産車世界初の画期的な技術がついた。それは、ルーフ上の太陽光発電で、わずかながらも走るようになったこと。先代プリウスにも太陽光発電のオプションがあったが、それは駐車時の換気専用......とギミック感が強かった。

 以前、某バラエティ番組で『ソーラーカーで日本一周』みたいな企画があったと記憶しているが、ハッキリいうと、あれは完全なフィクションだ。今の技術では残念ながら、太陽光発電だけで人間が乗った自動車を縦横無尽に走らせることは不可能である。

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