2015.03.12

【新車のツボ98】
ジャガーFタイプ試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 知っている人も多いと思うが、あの錦織圭選手(プロテニス)は現在、ジャガーのアンバサダーをつとめている。アンバサダーを直訳すると"大使"。クルマ以外も含めた高級ブランドの大使役と同じように、錦織選手もジャガー関連のイベント出演や広告・キャンペーン活動などを担うのだという。

 錦織選手は昨年9月のアンバサダー就任会見でも明かしていたが、以前テニス大会でたまたま見かけて以来、ジャガーに憧れていたんだとか。で、このFタイプ(日本発売は2013年5月)を初めて見て、ひと目ボレ。錦織選手サイドからジャガーにアプローチがあったという。窓口になったのは、日本法人のジャガー・ランドローバー・ジャパンである。

 というわけで、Fタイプ。今回取材した最強モデル"R"は1300万円超、もっとも安価なクーペで800万円台後半。ちょっとクルマに詳しい人なら、これがスポーツカー界における不動の横綱ポルシェ911に、ジャガーが送り込んだ史上最強の刺客......ということはすぐに理解できると思う。

 Fタイプを「現在、世界でもっともカッコいいスポーツカー」と評する向きは多い。とにかくバランスのとれたプロポーション。短く、幅広く、低く、そしてロングノーズ&ショートデッキ......というスポーツカーのツボの典型みたいなカタチだ。

 実際のFタイプは最新のパッケージ理論で構築されているので、寸法的にはハナ先が特別に長いわけではない。しかし、ボンネットや窓の微妙な角度や形状、細部の処理で、巨大エンジンの存在をことさら主張していた昔ながらの後輪駆動スポーツカーのような雰囲気を、うまく表現している。

 また、ライトやグリルを巨大化するのが今風のデザイントレンドなんだが、Fタイプはあえて逆をいく。ランプ類はあくまでスリム。そんでもって、フロントグリルはおちょぼ口、そして猫背のルーフライン......と、1950~60年代の良き時代のジャガーを想起させる。