「世界一のプレーヤー」へ。
石川祐希選手の今シーズンにかける想い (2ページ目)
世界最高峰かつ、結果を残さなければ来年の居場所がなくなるというシビアな世界。その魅力は「トップの選手たちのモチベーションやプレー、人間性を知ることができる」ことにあると石川選手は話します。
純粋な「強くなりたい」という思いを持ってイタリアに渡った学生時代を経て、石川選手はコートの内外でチームを率いる「真の日本代表のエース」になっていったのです。
さて、昨シーズン(2019-20シーズン)は、目標としていたプレーオフ進出を、目前で新型コロナウイルスの影響により逃してしまいました。「非常に悔しいシーズンだった」と石川選手は振り返ります。
シーズン前半は、トップ4と呼ばれる上位のチームから勝ち星をあげるなど、「自分自身のプレーもよかった」と評価しながらも、試合の延期や中止といった「予想外の状況に対して、常に自分のベストを尽くせなかった。対応力の面で課題が残った」シーズンだったと語っていました。
進化しているサーブ
しかし、個人成績に目を向けてみると、中断となってしまった昨シーズンの数字にも石川選手の成長が表れていました。「サービスエース(得点につながるサーブ)」がその一つです。
初めて全試合出場を果たした2018-19シーズン。サービスエースの数はシーズントータルで29本(全26試合)。それに比べ、昨シーズンは試合数が少なかったにも関わらず、同じ29本のエースを取っているのです(全19試合)。
これについて、「大事な局面においてサーブで得点できたことが、後半のチームの好調に結びついた」と石川選手は振り返ります。
思い返せば、8勝をあげ28年ぶりに4位入賞を果たした去年のワールドカップバレーの初戦、イタリアに対して先制した1点目も、石川選手のサーブによる得点でした。
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