4回目の五輪へ。スノーボード・竹内智香選手の決意

 今年2月に開幕するソチ五輪で、4回目の五輪出場を果たす選手がいます。それが、スノーボードアルペンの竹内智香選手です。

 昨年12月のW杯開幕戦ではパラレル大回転で2位と、ソチへ向けて幸先のいいスタートを切った彼女は現在30歳。女性としていろいろ心境の変化もある年齢ですが、竹内選手は、迷っても悩んでも、自分の中でひとつひとつきちんと納得をして結論を出しているのか、嘘偽りのない前向きな言葉ばかりだったことが取材をしていて印象的でした。

photo by Murakami Shogophoto by Murakami Shogo 竹内選手は14歳の時に見たスノーボードアルペンに魅かれて本格的に競技を始め、16歳から日本のナショナルチーム入り。その後、W杯にも参戦するようになり、2002年ソルトレークシティ五輪に出場し(22位)、2006年のトリノ五輪では9位になりました。

 しかし、04年から伸び悩みを感じていたこともあって、トリノの後、「ヨーロッパの強豪国に行って、こういうやり方でないと勝てないということを学んで、日本に伝えよう」と考え、日本を飛び出してオーストリアへ拠点を移したのです。

 また、06-07シーズンには、終盤から各国の代表チームに「一緒に練習をさせてほしい」と手紙やメールを出して頼み込んだそうです。最初はどの国にも断られてしまったのですが、世界最高峰である憧れのチーム、スイス代表に何度も何度も頼み込み、ついに「8月と9月のトレーニングだけならOK」という許可をもらったのです。

 最初は英語も片言という状態で、短期間でもいいと思って飛び込んだ竹内選手のガッツには驚かされます。しかも、それを両親にも連盟にも相談せず、ひとりで決めたといいます。そのうえ、「チームに必要な人間になれば、ずっといてもOKと言ってもらえるのではないか」と考え、実際、いつも明るくムードメーカーになろうと努力して、そのままチームに残って練習できるようになったのです。そのとき、チームに残るための条件が、英語だけではなく「ドイツ語も話せるようにならなければダメ」というものでしたが、彼女は3カ月間猛勉強してマスターしたといいますから、その執念と努力には頭が下がります。

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