2020東京五輪候補たちが走る。全日本大学駅伝の見どころ (2ページ目)

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita
 10月の出雲駅伝では、駒澤大の中村匠吾選手(3年)が1区でトップに立っていい流れを作り、そのまま優勝したこともあり、今回、大迫選手がどの区間を走るのか気になるところですが、早稲田大の渡辺康幸監督は「1区はアップダウンが激しいので大迫に向いていない」と、大迫選手を1区で起用する考えはないようです。そのため、大迫選手が走るのは過去3年間と同じ、エース区間の2区になることが濃厚。1区で駒澤大の中村選手に差をつけられたとしても、2区で大迫選手が一気に抜き返して早稲田大がトップに立つシーンが見られるかもしれません。

 優勝争いに目を向けると、中村選手だけではなく、村山謙太選手や、エースの窪田忍選手らがいる駒澤大が一歩リード。出雲駅伝のようないい流れに乗ればそのまま突っ走ってしまう可能性も十分あります。

 チームを指導する大八木弘明監督は他校の動向を見きわめており、取材陣に各校の戦力の解説をしてくれるほど。また、私が駒澤大の練習取材にうかがった時は、メンバーに入っている選手たちが10kmのペース走をしていたのですが、11人の選手全員が誰ひとり遅れることなくゴールするなど、誰を起用するか監督が迷うくらい全員の調子が良い状態でした。

 その駒澤大に対抗する一番手が東洋大です。今回は設楽啓太選手、設楽悠太選手兄弟を筆頭に、戦力が揃っていることもあり、「全日本で優勝するなら今年だ」と酒井俊幸監督は意気込んでいます。

 とくに、2年の服部勇馬選手に期待がかかります。服部選手は、昨年のこの大会で1年生ながら最長区間のアンカーを任されましたが、1位でタスキを受けながら駒澤大の窪田選手に逆転されて2位。「いい感じで走っていると思っていましたが、ドンドン差を縮められて焦ってしまい、最後の方は頭の中が真っ白になってしまった」と悔しそうに話していました。駒澤大の大八木監督は「彼はこれからすごく強くなる選手」と警戒しており、酒井監督は「ああいう経験をしたことでさらに成長してくれたと思う」と、服部選手を次期エース候補と考えているようです。

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