緩急PK、股抜きシュート、軸裏キック。元日本代表・福西崇史が欧州サッカー最新シュートテクニックのコツを伝授
スポルティーバ足ワザファイル 第6回
世界トップレベルのサッカースターたちの華麗なテクニックは、どういうカラクリで繰り出されているのか。その詳細を明かしていく。今回も、元日本代表の福西崇史氏に実演&解説をしてもらう。2021-22シーズンに欧州サッカーで見られた、最新のシュートテクニックを紹介する。
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カーブをかけたシュートを得意とする、ナポリのドリース・メルテンスphoto by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る【動画】福西崇史実演! 最新シュートテクニック集
助走の緩急をつけるPK
今回は、トッププレイヤーの最新のシュートテクニックを再現したものを解説していきたいと思います。
ネイマールの「ステップPK」はチェルシーのジョルジーニョなど、PKを得意とする選手がよくやるGKとの駆け引きのワザです。
ポイントは助走の緩急です。はじめは速めのステップでボールに近づき、その速さで行くと見せかけ、最後の一歩をゆっくりジャンプします。
このゆっくりジャンプすることで、その前の速いステップとの緩急でGKが釣られて動いてしまう、というのがキモになります。
そのGKが先に動いたのを見て、こちらは逆に蹴る判断ができるかどうか。周辺視野でGKの動きを捉えながら、インサイドキックで冷静に蹴る方向を変えられれば、実戦でも使えるワザになると思います。
ディボック・オリギの「ツマトラ反転シュート」は、彼の身体能力の高さが際立ったシュートだと思います。
ポイントは、流れてきたボールに食いついたDFの逆を突いて、ツマ先で背中側にボールを蹴り上げ、すぐさま反転してシュートを打っている点です。
この時ボールを高く蹴り上げているので、バウンドする際もかなり高くまで弾んでいますが、オリギはそこを上から叩いてシュートを打っています。
ミートのポイントがかなり高いところになるので、しっかり腰が入るように自分自身の足も高く上げなければいけません。オリギのようなサイズと身体能力がなければ、なかなか難しいシュートだと思います。
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