2021.06.26

エムバペのドリブルは何がすごいのか。ロナウド+メッシの究極進化系

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

スポルティーバ 足ワザ100連発
第7回:キリアン・エムバペ(前編) 後編を見る>>

世界トップレベルのサッカースターたちのテクニックを、元Jリーガーたちが実演・解説。今回取り上げるのは、現在トップ・オブ・トップのスターへの道を駆け上がっている、キリアン・エムバペだ。元日本代表の永井雄一郎氏に彼の得意ワザを実際にプレーしてもらい、そのポイントやプレーの特徴を聞いた。

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進化系ドリブラー、エムバペのすごさを解剖 photo by Getty Images進化系ドリブラー、エムバペのすごさを解剖 photo by Getty Images この記事に関連する写真を見る ↓【動画】エムバペのテクニック 実演&解説

 エムバペの特徴は言うまでもなく、爆発的なスピードです。

 つま先立ちで前傾姿勢になって走り、ボールを運ぶのもつま先でタッチしています。ヒザも上がっているので1歩の幅が大きい。(写真のように)このくらい前傾して走る選手はそういないですし、日本人選手ではまず見たことがないです。

エムバペの走る姿勢を、ゴールポストを支えに実践する永井氏。かなり急な前傾だというエムバペの走る姿勢を、ゴールポストを支えに実践する永井氏。かなり急な前傾だという この記事に関連する写真を見る  この姿勢だとお尻からモモの裏にかけて常に力が入っていて、0から100にスピードを上げるのが速くなるようです。通常は足をグッと踏み込んでからスピードアップするような、力を入れる「間」があるものですが、それが感じられません。その「間」がない分、エムバペは他の選手よりも速いのだと思います。

 基本のドリブルは体の前でボールタッチして、さらすように運びますが、相手が寄せてくると、ボールの位置を体の下に変えて進みつづけます。こうするとドリブルの角度を急激に変えることが可能になります。

 スピードがありながら、ボールを持つ時の懐の深さあり、急角度のターンもできる。これが彼のもっともすごいところですね。

 体の前でボールタッチするクリスティアーノ・ロナウドのような「さらすドリブル」と、体の下にボールを置く、リオネル・メッシのような「足元ドリブル」の両方ができる。タイプとしては「ロナウド+メッシ」のミックスです。これは恐ろしい。ドリブラーも進化が止まらないですね。