犬伏湧也、プロ野球の夢断念→大学中退→養成所2回不合格→オールスター競輪でGⅠ初優勝「もう1個勝って師匠を逆破門」と笑顔止まらず (2ページ目)
石原(白・1番車)を先頭に四国4選手が前団に並ぶ。犬伏(紫・9番車)は2番手に入る photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る
しかし、GⅠの決勝は思惑どおりに事を運ばせてもらえる舞台ではない。スタートの号砲が鳴り響くと、石原を先頭に四国勢が前からレースを作ったが、残り2周半となったところでGⅠ連覇中の絶対王者・古性優作(大阪・100期)、眞杉匠(栃木・113期)、吉田拓矢(茨城・107期)らトップ9のS級S班勢がじわじわと進出。四国勢と並走してプレッシャーをかけ始める。
激しいポジション争いで四国勢の並びは一度分断され、最後方で再び4車そろった時には前方との車間も大きく開いてしまった。それでもラスト1周、石原が意地のスパートをかけると、この動きに反応したのが「レースはどうなるかわからない」と冷静に構えていた犬伏だった。
最終第2コーナー。外から追い上げる犬伏(紫・9番車) photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る
目を見張る加速で猛然とまくり上げると、一気に先頭へと躍り出る。あとは「ゴールまで全開で踏むだけだった」と無我夢中で後続を振りきり、先頭でゴールイン。犬伏の師匠である小倉竜二(徳島・77期)が2006年に競輪祭を制して以来、実に20年ぶりとなる四国勢によるGⅠ制覇の瞬間だった。
犬伏が力強く拳を握ると、あふれんばかりに詰めかけた観衆からの大声援が、松山の夜空にこだました。
拳を振り上げて喜びを爆発させた犬伏(紫・9番車) photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る
2度の不合格であきらめた過去も
見事チャンピオンとなった犬伏だが、その道のりは決して順風満帆とは言えなかった。学生時代は野球に打ち込みプロを目指して大学へ進学したものの、後にメジャーリーガーとなる先輩・今永昇太(シカゴ・カブス)の実力を目の当たりにして挫折。失意のなかで出会ったのが競輪、そして同郷である小倉だった。
大学を中退して競輪選手を目指すこととなったが、日本競輪選手養成所への入所試験に2年連続で不合格となり、一度は就職の道を選択する。それでも仲間の熱意と小倉の後押しを受け、3度目の挑戦でようやく養成所に合格し、競輪選手への道を歩み始めた。
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