市原匠悟のポスターで注目を集める競馬学校 元騎手・武士沢友治教官の思いと生徒が新たに抱いた具体的な夢とは (3ページ目)
全力でサポートする教官たち
JRA競馬学校で学ぶ生徒たちが希望に満ち溢れているのも、教官たちの存在があってこそだ。そのひとりが、2024年に騎手を引退し、同年春からJRA競馬学校の教官を務めている武士沢友治氏だ。
人気騎手として長年競馬界を賑わせてきた武士沢氏は、競馬の魅力についてこう語る。
「ジョッキーは大変なことも多いのですが、競馬で1勝するだけでも悩みや苦労は吹き飛んでしまうほどうれしいものです。何万人も観客がいるなかで競馬に乗れるというのはアスリートとして最高の瞬間。とくに調教で関わった馬を勝たせた時にはものすごく感動しますし、本当にジョッキーをやっていてよかったなと感じます」
騎手の魅力を知り尽くしている武士沢氏は、そんな感動を生徒たちにも味わってほしいという思いを持って、積極的に声掛けを行なっている。訓練では「それぞれの技術レベルに合わせて、直すべきところを端的に要点だけを伝えるようにしている」と言い、それ以外の時間では、「あまり質問してこない生徒には『今日はどうだった?』とこちらから声を掛けるようにしている」と、それぞれのパーソナリティーに合わせて接し方を変え、生徒たちのモチベーション維持に努めている。
調教スタンドから走路を走る生徒へ的確なアドバイスを送る武士沢氏 photo by Hisaya Hirose
走路での訓練に励む生徒。教官たちはその動きを常に見守っている photo by Hisaya Hirose 2025年に入学した生徒たちは前述のように現在基礎課程を学んでいる。この期間は約1年半続き、その間、乗馬や走路騎乗などの実技ほか、フィジカルトレーニング、関係法規、馬学の専門カリキュラムなどを学ぶ。
その後、実践課程として約1年間、美浦または栗東トレーニング・センターで実習を行ない、調教方法や実践的な騎乗技術を体得する。そして最後の半年間はJRA競馬学校に戻り、模擬レースなどを通じて実際のレースでの騎乗テクニックを習得する。
これらのカリキュラムを通して競馬の基礎的な技術はもちろん、応用力や実践力を養うことができるが、武士沢氏はそれ以外の精神的な部分、騎手としての心構えも大切だと説く。
「ジョッキーとしてどのようなビジョンを描いているのかが大事です。みんなトップジョッキーになりたいと思っていますが、勝負の世界ですので、そうなれないジョッキーもでてきます。そんななかで芯を持って自分の考えを貫いていけるかが大切。それがあれば、周りはちゃんと評価してくれますし、その気持ちはすごく重要だと思っています」
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