競輪・卒業記念レースで輝いた女子3名 小学校の先生、ヨガインストラクターからの転身、全ゴールデンキャップ獲得の候補生も (3ページ目)
ヨガインストラクターから競輪界へ
カラギアニス紗世子アントワネット
(からぎあにす・さよこ・あんとわねっと)
「私はヨガで生きていくと思っていました」
そう言って笑顔を見せたカラギアニス。今でもガールズケイリンの選手として羽ばたく自分が信じられないといった表情だった。
現在30歳の彼女は父親がカナダ人で母親が日本人という家庭で育った。高校時代に一度はオーストラリアに留学するも、生まれも育ちも和歌山。地元の高校を経て和歌山大学に進学し、卒業後に全米ヨガアライアンス認定ヨガインストラクターの資格を約4カ月かけて取得した。地元でヨガ教室を開き、インストラクターとして生計を立てていた。
ガールズケイリンの選手を志したのは、「日本競輪選手会和歌山支部の稲毛健太支部長(和歌山・97期)が生徒として来てくださって、『競輪選手を目指してみないか』と言われたことがきっかけだった」という。
突然のことだったため最初は当然「しないです、しないです」と即答したが、完全にその選択肢を除外したわけではなかった。ガールズケイリンの存在が気になり、高校の先輩で競輪選手として活躍する石塚輪太郎(和歌山・105期)に相談すると「やるのであれば面倒を見ます」と師匠を買って出てくれた。また兄が地元でサイクルショップを経営しており、自転車は身近なものでもあった。さらに最後は両親が「いいんじゃないか」と背中を押してくれたことが決め手となり、本格的に練習をやるようになった。
これまでやったスポーツといえば、小学校から中学まで励んでいたハンドボールのみ。「激しいスポーツをずっとやってきていなかった」こともあって、養成所の試験に一度は失敗している。しかし二度目の試験で見事合格し、入所を果たした。
しかしすぐに自転車を乗りこなせたわけではなかった。「スポーツのブランクがかなり長かったので、練習についていくのに必死だった」という。とくにゆっくり動き続けるヨガとは違い、競輪は瞬間的に最大限のパワーを出す必要があり、その点でもかなり苦戦を強いられた。それでも訓練は前向きに捉えることができていた。
「アマチュアの時はヨガの仕事をしながらでしたので、自転車に集中できたというのは本当にありがたい環境でした」
養成所の成績ではまだ上位陣に劣るが、在所期間で大きく脚力を伸ばし、今後の伸びしろも十分。170cmを超える恵まれたフィジカルが魅力で、大きく化ける可能性を秘めている。本人は「まだまだ脚力が足りないし、レースの対応力も全然足りない」と課題を認識しており、「もっと精進していかなければいけない」とデビューに向けてさらに努力を重ねていくつもりだ。
ヨガインストラクターという異色の経歴を持つ、カラギアニス紗世子アントワネット。ガールズケイリン界にまた新たな風を届けてくれる存在になるのではないだろうか。
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