南野拓実が感謝する親からのサポート オウンゴールが与えてくれた教訓と父からの言葉 (2ページ目)
小学生時代の南野(右)。ドリブルが得意な少年だった 本人提供
試合で学んだ劣勢を跳ね返す精神
――全日本少年サッカー大会(現JFA 全日本U-12サッカー選手権大会)に出場した記憶はありますか。
その記憶はすごくあります。チームメイトみんなにとっても、一番大きな目標にしていた大会でしたので、それに向けて努力していました。ただ僕が小学6年生の時に、大阪で優勝候補と言われているチームと対戦して1-2で負けてしまったんです。1点を獲ったのは僕だったんですけど、相手のゴールも1点、僕がオウンゴールで入れてしまいました。
鮮明に覚えているのが、前半にそのオウンゴールをしてしまって、僕がチームの中心選手だったのに、僕が落ちこんでしまったことです。ハーフタイムにコーチから「お前がシュンとしていたらダメだぞ」と言われてしまって......。それで気持ちを切り替えたら、チームが息を吹き返して同点になりました。すごくいい試合になったんですけど、結局負けてしまって、すごく悔しかったですね。
その時に学んだのが、試合の中で苦しい状況はあったとしても、気持ちをできるだけ早く切り替えることができれば、劣勢でも跳ね返せることができるんだということでした。
――オウンゴールをしたことについて周りから何か言われましたか。
自分のせいで負けてしまったという感覚はありました。厳しい父親でしたので、帰りの車の中でなんて声を掛けられるんだろうと思っていたら、その時はほめてくれたんです。自分のせいでオウンゴールしたけど、後半、それを取り返そうと頑張っていたことを、父は評価してくれたんだろうと思います。
――厳しいお父様ということでしたが、ご両親から受けたサポートで感謝していることがあれば教えてください。
練習の送り迎えをしてくれただけで、すごく大きなサポートだったなと思います。帰りの車では、すぐに何か食べられるように補食を用意してくれたりしていました。当時は当たり前に感じていましたが、今思うとすごくありがたいサポートだったなと思っています。
JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会は12月26日から29日に鹿児島県で開催される――改めて、12月26日から全国大会が始まります。出場する選手たちには、どのような気持ちで臨んでほしいですか。
まずは楽しんでほしいです。そしてチームメイトとともに切磋琢磨して大会に挑んでほしいなと思います。勝負ですので、勝ち負けはありますが、負けたからと言って、そこですべてが終わってしまうわけではなくて、学べることはたくさんあると思います。負けたとしても、そこまでの過程を大切にしてほしいですね。
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