パートナー企業が増加、チームのファンが商品に愛着も サントリーが目指すスポーツの事業化とは

  • text by Sportiva

世界レベルの選手も在籍する、東京サントリーサンゴリアス 写真提供:サントリー世界レベルの選手も在籍する、東京サントリーサンゴリアス 写真提供:サントリー

ラグビーとバレーボールチームを運営

 日本のスポーツ界は、「実業団チーム」という総称があるように、企業のサポートによって発展してきた側面がある。その象徴となる企業のひとつが、サントリーだ。

 サントリーは現在、ラグビーチームの「東京サントリーサンゴリアス」(以下、サンゴリアス)、バレーボールチームの「サントリーサンバーズ」(以下、サンバーズ)を運営するほか、ゴルフでは「宮里藍サントリーレディスオープン」、野球では「サントリードリームマッチ」を開催。パラスポーツ分野では「サントリーチャレンジドスポーツプロジェクト」の活動を行なっている。

 なぜサントリーはここまで幅広くスポーツを支援しているのだろうか。その理由をサントリーのスポーツ事業推進部、富岡正樹部長に聞いた。

「サントリーグループは、『人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」をめざす』を企業理念としています。この理念の元、スポーツの支援を行なっています。サントリーはもともと洋酒からスタートしていますが、その後、他の酒類や清涼飲料に事業を拡大していきました。飲料はスポーツや健康ととても親和性がありますので、それがスポーツを支援する理由のひとつです」

 1899年に鳥井商店として創業したサントリーは、日本人の味覚に合った洋酒づくりを目指し、戦前から、「赤玉ポートワイン(現、赤玉スイートワイン)」、「サントリーウイスキー角瓶」などを発売。1963年には「サントリービール」などビール事業に再参入。そして1972年に食品事業をスタートさせ、現在でも愛される「C.C.レモン」「ペプシ」「烏龍茶」「ボス」などのソフトドリンクを拡充してきた。

 サンバーズは1973年、サンゴリアスは1980年の創部であり、いずれも食品事業スタート後に本格的に活動を始めている。どちらも創部以降、目覚ましい活躍を見せ、サンバーズは、2000~04年にVリーグ5連覇を達成、2020-21、2021-22のシーズンでも2連覇を成し遂げている。サンゴリアスは、真壁伸弥、永友洋司、清宮克幸ら日本を代表する名だたる選手が在籍したチームで、90年代後半から2000年代前半にかけて黄金期を迎え、数々の優勝を手にしてきた。2016~18年にトップリーグ2連覇も達成している。

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