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観戦ツアー以外にJTBがスポーツを支える知られざる業務とは。今後は「スポーツを通じた社会課題の解決」を目指す

  • text by Sportiva

支えて活きる。最先端「企業スポーツビジネス」

JTBがホスピタリティプログラムの日本国内独占販売権を持つ2023年のラグビーW杯。特設サイトも展開中 photo by「JTBスポーツ」公式サイトJTBがホスピタリティプログラムの日本国内独占販売権を持つ2023年のラグビーW杯。特設サイトも展開中 photo by「JTBスポーツ」公式サイト

スポーツの感動を届けるために

 スタジアムや競技場が、再び賑わいを見せ始めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で滞っていた現場での規制が少しずつ緩和され、スポーツの熱狂を肌で感じたいファンが、続々とスタジアムや競技場に足を運んでいる。

 そんなスポーツ観戦で必要になってくるのが、移動や宿泊だ。熱心なファンは、お気に入りのチームが敵地に乗り込む際には観戦チケットを購入し、現地に足を運ぶ。夜の試合になれば宿を取る必要もあるだろう。そんなファンを支えているのが、JTBだ。大会や試合のチケットと宿泊をセットにしたプランを組んだりして、ファンに快適なスポーツ観戦ツアーを提供してくれている。

 そんな体験を提供する意義を、同社スポーツビジネス共創部の久家実部長はこう語る。

「JTBのブランドスローガンは『感動のそばに、いつも。』なんですが、スポーツは人々に感動を与える力があると思っています。努力することの大切さ、規律を守る精神、世の中を明るくする力など、それらの感動をどうやって人々に届けるかは、我々の責務のひとつだと思っています」

 多くの人にとって旅行代理店は、観戦ツアーの販売がメインの業務だと思っているだろう。しかしJTBにとって「その業務はほんの一部」だという。JTBはラグビー日本代表、野球の侍ジャパン、バドミントン日本代表、ソフトボール日本代表などの各種競技団体に協賛したり、東京オリンピック・パラリンピック競技大会では選手やスタッフの移動や宿泊、大会の運営などをサポートしている。

 さらに、JTBがスポーツに関わる業務範囲は驚くほど広い。

「東京2020で言うと、業務は本当に多岐に渡りました。大会パートナーに名を連ねた企業のアクティベーションを支援する仕事、大会での物流や警備を担う人たちの移動と宿泊の手配、選手が空港からホストタウンに行くまでのコロナ対策や、選手村へ入るまでの移動・宿泊・食事など手配などがその一例です。東京都での開催ではありましたが、JTBの全国の支店が各キャンプ地の自治体と協力して業務を行なっていて、安全・安心な大会の実現のために、サポートをしていました」

 東京オリンピック・パラリンピックは、原則無観客で観戦ツアーの販売もなかったことから、JTBが金銭的なメリットを享受することはできなかったが、「業界のリーディングカンパニーとして、成功に向けて支えていかなくてはいけないという強い使命感」(久家氏)が社員一人ひとりの背中を押した。

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