パラリンピック1周年記念イベント開催。昨夏開会式「片翼の小さな飛行機」の少女がパフォーマンスを披露

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1周年記念イベントに参加した和合由依さん。昨夏を彷彿とする演技を見せた1周年記念イベントに参加した和合由依さん。昨夏を彷彿とする演技を見せた
 東京パラリンピック開幕から8月24日で1年が経った。これを記念して「東京2020パラリンピック1周年記念イベント」が有明アリーナで開催された。1年前は無観客での実施だったが、今回は多くのファンが会場に詰めかけた。

 オープニングパフォーマンスでは、昨夏の開会式で「片翼の小さな飛行機」を演じた和合由依さんが登場。障がい者を含む多様性を象徴したパフォーマーたちとともに、光と音楽が融合した躍動感のあるショーを披露し、観客を魅了した。

 そしてオープニングセレモニーには、小池百合子都知事、国際パラリンピック委員会(IPC)アンドリュー・パーソンズ会長、IPC特別親善大使の稲垣吾郎氏、草彅剛氏、香取慎吾氏らが参加。小池都知事は「パラスポーツムーブメントをより一層進めてまいりましょう」と高らかに宣言し、稲垣氏は「すぐにパリ大会が控えているので、僕もできることを全力で尽くしていきたい」とパラスポーツ発展に向けて今後も盛り上げていくことを誓った。

IPC特別親善大使の(左から)草彅剛氏、稲垣吾郎氏、香取慎吾氏も来場IPC特別親善大使の(左から)草彅剛氏、稲垣吾郎氏、香取慎吾氏も来場

 このセレモニーに続いて、昨年の大会で銀メダルを獲得した、車いすバスケットボールの男子日本代表同士のドリームマッチが開催された。パラリンピックで活躍した鳥海連志、藤本怜央がブラックチームに、香西宏昭、赤石竜我がホワイトチームに入り、真剣勝負を繰り広げた。

 試合は第1クォーターから激しいぶつかり合いを見せ、一進一退の白熱の展開に。そんななか、前半は厳しいディフェンスをかいくぐり、着実に得点を重ねたホワイトが33-28でリードした。しかし後半に入って少しずつブラックが盛り返し、最終第4クォーターで鳥海、藤本の気迫あるプレーで逆転。最終的に62-56でブラックが勝利を手にした。

 ブラックのキャプテンを務めた鳥海は「1年前は無観客だったが、こうして皆さんに試合を見てもらえて何よりもうれしい。皆さんが見に来てくれたのは、あの銀メダルがあったからだと思う」と着実に増えつつある車いすバスケットボールファンに感謝の言葉を述べた。

 そしてこの日は女子のエキシビジョンマッチも開催。車いすバスケットボールの女子日本代表vsスペイン代表の国際親善試合が行なわれた。試合は第1クォーターこそ日本がリードするも、体格で勝るスペインが徐々に地力を発揮。日本は相手のコートを広く使ったダイナミックな攻撃と激しいコンタクトに押され、前半が終了した時点で22-32と10点のリードを許してしまう。第4クォーターにキャプテンの北田千尋を中心に盛り返すも、47-60でタイムアウト。日本代表にとって世界の壁を痛感する結果となった。

 試合後、チーム最多得点を決めた北田は「今回は世界で戦っていくための持てるカードはすべて出した。今の私たちには経験が必要。今後、海外遠征、世界選手権と続くので、頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。

小池百合子都知事、IPCアンドリュー・パーソンズ会長らが来場。会場には計9200人が集まった小池百合子都知事、IPCアンドリュー・パーソンズ会長らが来場。会場には計9200人が集まった

 この日は合計9200人の観客が有明アリーナに来場。感染対策のため、声援を送ることはできなかったが、観客が一体となって応援ハリセンで盛り上げたことで、会場は興奮と熱狂に包まれた。その様子を見たパーソンズ会長は、「私の心のなかで、この日が永遠に輝き続けるだろう」と感慨深げに振り返った。

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