2020.11.23

注目のマイク・タイソン復帰戦。
絶対マネできない、波乱のしくじり半生

  • PROMOTION 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 今年5月、SNSで「I'm back!」と宣言してトレーニング動画を公開。今年で54歳とは思えぬスピードと迫力あるミット打ちに、世界中のボクシングファンが震撼した。

 ボクシング元統一ヘビー級王者マイク・タイソンが、15年ぶりにリングに上がる。

 対戦相手は、51歳の元4階級制覇王者ロイ・ジョーンズ。11月28日(日本時間29日)、ロサンゼルスのステープルズ・センターにてエキシビションマッチが行なわれる。タイソンはどんな姿で我々の前に現れてくれるのか。その前に"アイアン"マイクの波乱に満ちた半生を振り返っておきたい。

これまでもさまざまな話題を振りまいてきたタイソン。54歳にして復帰戦に臨む

WOWOWがタイソン復帰戦を放送>>

■デビューわずか1年8カ月、史上最年少で世界王者

 ヘビー級にしては小柄な体躯ながら、抜群のスピードと圧巻のパンチ力で大男たちをなぎ倒す。全盛期のマイク・タイソンの強さに、人々は畏怖の念すら抱いた。

 しかし、短すぎた全盛期がゆえに、識者たちの"最強"論争ではしばしば蚊帳の外、もしくは候補者の中のひとりにとどまる。ただ、言葉遊びではあるが"最恐"もしくは"最凶"を競うのであれば、タイソンは他の追随を許さないボクサーだった。

 対戦相手の耳を噛みちぎり、自身の顔面にはニュージーランドの原住民マオリ族を思わせる入れ墨を入れる。購入した高級車は100台を超え、豪邸で3頭のホワイトタイガーを飼っていたこともある。ドラッグ、アルコールだけでなくセックス依存症に苦しみながら、キャリアを通して700億円を稼ぎ出すも、気づけば20億円を超す借金を抱えて自己破産。

 アメリカンドリームの光と影をこれほど色濃く体現したボクサーは、ほかにいない。カムバック目前、ボクシング史上、最も愛され、最も憎まれたであろうボクサーは、どんな半生を歩んできたのか?