2020.01.17

大坂なおみが新スタイルで挑む全豪OP。
「3本目までに主導権」がカギ

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

2020年「夏」へと続く
3大スポーツの必見!イベント
①全豪オープンテニス

 いよいよやってきた2020年。4年に1度のビッグイベントに向け、スポーツ界はさらに盛り上がりを見せている。とくに1月、2月から始まる、全豪オープンテニス、ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックスネーションズ、LPGA女子ゴルフツアーは「今年の夏」の結果を占ううえでも要注目。これら3大スポーツをしっかり観戦することで、夏に活躍する選手やチームが見えてくる。第1回目は、全豪オープンテニスを紹介する。
大坂なおみ、2連覇へ。全豪OPは選手たちの今期を占う指標になる「最低ふたつのグランドスラムを勝ちたいし、オリンピックの金メダルも獲りたい。あとは東京(東レ・パンパシフィックオープン)のタイトルを守り、ハードコート、芝、クレーでもそれぞれひとつはタイトルを獲ること」

 2020年シーズンを迎えるにあたり、大坂なおみは今季の「目標」をそのように見据えた。

 グランドスラム2大会連続優勝、そして世界1位到達を成し遂げ、さまざまな「初」に遭遇した昨シーズン。その重圧や葛藤を乗り越え新たなシーズンに挑む彼女は、ごく自然体で高みへと目を向けている。

 昨年の彼女の未知への旅は、「最も好きな場所のひとつ」というオーストラリアで幕を明けた。

 そして今年、目指す未踏の地への旅も、”ディフェンディングチャンピオン”として迎える全豪オープンでスタートを切る。

「あの時は、単にいいプレーができたからいい結果が得られたというだけで、普通のことだと思っていた。世界1位になったら、コート外でもこれほど多くの義務があるとは知らなった。その後はプレッシャーが襲ってきて、慣れるのにも時間がかかり……。1位になったあとは負けてばっかりだった気がするもの」

 約1年前を振り返り、大坂は苦味の交じる笑みをこぼす。

 あまりに多くの「初めてのこと」を経験したため、「これは去年ではなく、今年の出来事だったんだ……」と、1年を振り返り、驚きを覚えもしたと言う。

 求めた理想像と現実との乖離に苦しむなか、昨年の彼女はコーチを2度代え、練習環境や周囲の人々にも新しい声を求めた。そして、「ようやく、どこに向かうべきか見え始めた」と言う彼女は、経験豊富な新コーチ、ウィム・フィセッテとともに、世界4位として新シーズンを迎えている。

「彼は完璧な”ティーチャー”だ。今のなおみに必要なことを教えることができる、理想的な存在。だから、彼が新コーチに就任したと聞いた時には、ものすごくうれしく思った」

 そう語るのは、大坂のパフォーマンスコーチ就任3年目を迎える、アブドゥル・シラーである。