高校テニス部員に課せられた、プロの「キツすぎるトレーニング」とは?
純粋にスポーツが好きな少年・少女たちは、果たしていつから"アスリート"になるのだろう?
幼少期は他の子どもたちと同じく無邪気にボールを追い、楽しく駆けていた今のトップアスリートたちには、走る道を"他の子"たちと自ずと違(たが)えた分岐点が、踏破してきたキャリアにいくつかあったはずだ。
『ADIDAS TENNIS CHALLENGE』のトレーニング風景 そのひとつの分岐点は、日々のトレーニングや身体のケア、そして睡眠や食事などに意識が向いたときではないだろうか。単に競技そのものの能力を上げるだけでなく、日常にもスポーツ向上への自覚が編み込まれたときこそが、おそらくはアスリートへの歩みである。
プロテニスプレーヤーの内山靖崇にとって、その日は11歳のときに訪れた。郷里の北海道札幌市で8歳からテニスを始めた内山は、小学5年生時に元世界46位の松岡修造氏が開催するトップジュニア育成キャンプ「修造チャレンジ」に招かれる。
そのときに彼は、初めて本格的に行なうトレーニングの数々に「まったくついていけなかった」事実に愕然とした。
「テニススクールで練習していたときは、開始前にストレッチなどの体操をする程度で、終わった後にもランニングなどクールダウンをするというのはまったく知らなかったんです。トレーニングも小学生のころはやったことがなくて......」
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