SASUKEワールドカップの「編集中に何度も涙ぐみました」 総合演出家が語った胸を打たれた人間ドラマ (3ページ目)

  • 大野智己●取材・文 text by Ohno Tomoki

【日本3チームもクレームゼロ】

――最後にひとつ質問なんですが今回のワールドカップ。日本はRed、Blue、Legendと3チームあります。他国は1チームのみ。これはどういう意図から?

乾 おーっ、その質問、きましたか(笑)。まず長野誠さん、山田勝己さんは日の丸をつけて海外で戦ったことがないんです。彼らはSASUKEのスタートから28年にわたり番組の歴史を支えてくれた功労者。感謝の気持ちを込めて、この舞台に呼びたいなと。そして漆原くん、日置くんら今の番組を支えているTEAM Blue、海外に対抗できる面々を揃えた森本世代のTEAM Red、そしてTEAM Legendの3チームを揃えて史上初の世界大会を飾れればと思ったんです。もちろん海外のプレーヤーたちも長野さんや山田さんがプレーしているところを見たいだろうと思いましたし。

――他国からクレームはなかったんですか。

乾 それがまったく! 内心ではすぐ何か言われるかなとちょっとビクビクしていたんです。でもみんな「ヤマダサンニアエル!」ってウエルカムモード。クレームゼロでした(笑)。

――現場でも山田さんらに対し、そんなムードになったんですか。

乾 めちゃくちゃなりました! すごかったですよ。今回、出場する30代の海外選手は子供の頃、NINJA WARRIORを見て、出場に憧れていた世代。みんなのスーパースターです。みんな、「山田さんが走っている姿を見られてこんな幸せはない」と言っていました(笑)。

――マイケル・ジョーダンやマラドーナみたいですね。乾さん自身、今回のワールドカップを通じて、SASUKEの新たな魅力を発見しましたか。

乾 いやー、いままでとはまったく異なるSASUKEです。今回のワールドカップは通常のよりも断然、面白いんじゃないかと思っています。日本人は団体競技が好きじゃないですか。

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