貧乏生活から「テラハ」出演のシンデレラストーリー「うわ、私って小さい!」田辺莉咲子はコンプレックスを原動力に変えた (3ページ目)

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • 是永日和●撮影 photo by Korenaga Hiyori/天野英和●動画 movie by Amano Hidekazu

【貧乏生活からテラスハウス出演へ】

 しかし、そんな競技生活も高校卒業後に一転する。

「家はうどん屋をやったりいろんなことをしていたのですが、父親が奔放すぎてお金がなくなり、バトントワリングを続けるのは難しいかなと思ったんです。食事は天かすで済ませたり、食器用の洗剤で髪や体を洗ったり......。ティッシュも干して再利用したり、私自身が節約できることをやっていました。

 このままじゃ何もできない。とにかくお金を貯めて上京しようと、バイトに明け暮れていました。家に帰るためのバス代200円が惜しくて、24時間営業のジムでサウナに入り、仮眠をとってまた働くみたいな生活で、最初の3カ月で60万円くらい貯めました。同時並行でツイッターやインスタグラムも積極的に使って、フォロワーを増やしていきました」]

地元から上京したばかりの頃の田辺さん 写真/本人提供地元から上京したばかりの頃の田辺さん 写真/本人提供この記事に関連する写真を見る

 バイト生活が半年を過ぎた頃、インスタグラムに一通のDMが届いた。

「新規オープンするフィットネスジムからでした。ボディビルやフィジークで有名な方たちが所属していて、身体について学ぶ絶好のチャンスだと思いました。それで、着の身着のまま上京。

 同郷の友だちの住むワンルームマンションに転がり込んでふたり暮らしを始めました。家賃は折半。かなり手狭で2年ほど過ぎたあたりで、そろそろ住まいをなんとかしないと......とネットでシェアハウスを探していたら、見つけてしまったんです。『テラスハウス』の募集を!」

『テラスハウス』は、ひとつ屋根の下で暮らす複数の男女が繰り広げるさまざまな人間模様が見どころの人気番組だ。

「オーディションに受かれば、家だけじゃなくて、車も用意してもらえる、私の知名度も上がる。いいことづくめだなとすぐに応募しました。面接が進む間、芸能事務所に所属もして、最終的に出演が決まったのは1年後の2019年4月でした」

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