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「成長株」は村神様だけじゃない。知られざるグローバル企業ヤクルトを投資家はどう見ているか (4ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

 ちなみに、これも余談なんだけど、『ヤクルト1000』という大ヒット商品を知っているかな。

 シロタ株が1本に1000億個入っていて、税別のメーカー希望小売価格が1本130円。通常のヤクルトが1本40円で、シロタ株は200億個だから、1本に含まれる菌の数が5倍で、値段が3倍ちょっと高めなんだけど、医学的根拠は別にして、これにはストレス緩和と睡眠の質向上の機能があると言われているんだ。

 このヤクルト1000、まだ海外販売はされていないんだけど、もしアメリカでこれを販売したらどうなるだろう。アメリカのエリートビジネスパーソンって、睡眠に対して貪欲だし、睡眠障害というのは結構、先進国で生活している人たちの共通課題だったりする。だからヤクルト1000を先進国で販売したら、きっととんでもないことになる可能性があるのではないかと思ったりするんだ。

 こんな感じで、企業を知り、商品やサービス、決算など数字の内容を理解して、将来、その会社がどうなるのかを想像する。これができるようになると、会社をより深く理解できるようになるんだよ」

奥野一成(おくの・かずしげ)
農林中金バリューインベストメンツ株式会社(NVIC) 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)。京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2014年から現職。バフェットの投資哲学に通ずる「長期厳選投資」を実践する日本では稀有なパイオニア。その投資哲学で高い運用実績を上げ続け、機関投資家向けファンドの運用総額は4000億を突破。更に多くの日本人を豊かにするために、機関投資家向けの巨大ファンドを「おおぶね」として個人にも開放している。著書に『教養としての投資』『先生、お金持ちになるにはどうしたらいいですか?』『投資家の思考法』など。

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