2020.12.07

萩野公介が追い求める強さ。リオ五輪金メダル獲得後に語った本心

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

PLAYBACK! オリンピック名勝負ーー蘇る記憶 第41回 

スポーツファンの興奮と感動を生み出す祭典・オリンピック。この連載では、テレビにかじりついて応援した、あの時の名シーン、名勝負を振り返ります。

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2016年リオデジャネイロ五輪男子400m個人メドレーで金メダルを獲得した萩野公介 萩野公介にとって2016年のリオデジャネイロ五輪は、その4年前のロンドン五輪とは違う立場で臨まなければいけない大会だった。12年にはまだ高校生で、自分の力が世界でどの程度通用するかというワクワクした思いで挑んでいたが、それから日本チームの大黒柱へ成長していたのだ。

 ロンドン五輪翌年、13年の日本選手権は、マルチスイマーとしての能力を突き詰めるために6種目に出場。200m背泳ぎは入江陵介に次ぐ2位だったが、日本記録を出した200mと400mの個人メドレーに加え、200m、400mの自由形、100m背泳ぎで優勝し、5冠を獲得。14年のアジア大会では、リレーを含めて7種目に出場し、金メダル4個、銀1個、銅2個で大会のMVPを獲得した。

 15年の世界選手権は、直前に右肘を骨折して欠場。3カ月間練習できず、不安を抱えた。その大会の400m個人メドレーでは、瀬戸大也が13年に続く大会連覇を果たした。しかし翌年の日本選手権で萩野は、個人メドレーで200mで1分55秒07の日本記録を出し、400mとともに優勝。さらに200m自由形でも1位で強さを見せた。リオ五輪へは、個人メドレー2種目を世界ランキング1位で臨み、優勝候補筆頭の期待が高まっていた。

 萩野が金メダルを狙う男子400m個人メドレーは、五輪で競技初日の一番初めに決勝が行なわれる種目。チームに勢いをつける役割も担っており、萩野は瀬戸とともに日本勢ダブル表彰台を求められていた。