2015.02.12

メダル候補の15歳。飛び込みの板橋美波がリオ五輪へ前進中

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

2月特集 2015年躍動するホープたち(2)

 今年の4月から高校生になる、飛び込みの板橋美波(JSS宝塚)が7月に行なわれる世界選手権の、高飛び込み、板飛び込みの2競技で代表に選出された。しかしそれは、完璧な演技で勝ち取ったものではなく、悔しさの残るものだった。

7月の世界選手権代表に選ばれた板橋美波(左)と佐々木那奈(右)。後ろはふたりを指導している馬淵崇英コーチ 2月7日に行なわれた、飛び込み国際大会派遣選手選考会女子高飛び込み決勝で、15歳の板橋美波(JSS宝塚)はチームメイトで1歳上の佐々木那奈(JSS宝塚)に逆転負けを喫して涙を流した。

「4本目の109C(前宙返り4回半抱え込み)を普通に飛んでいれば80点台は出たと思うけど、今日は予選前の練習で助走がいきなり崩れて不安になってしまい、それが決勝にも影響しました。その前の207B(後ろ宙返り3回半エビ型)では初めて90点台を出せたので、それで少し油断してしまったのもあると思います」

 7月に行なわれる世界選手権代表がかかったこの試合で「勝たなければ」と緊張してしまい、前夜もなかなか寝つけなかったという。その不安と焦りで助走が狂い、午前中の予選ではストライドが広がり、飛び込み台の先端から足が半分出てしまう踏み切りになっていた。それを踏まえて、決勝では少し後ろからスタートしたが、今度は先端まで届かず、手前で踏み切ってしまった。加えて予選では回転が甘かったため、決勝ではギリギリまで持っていこうとして最後の体の伸ばしが遅れ、わずかに回転オーバーに。

 この109Cは、女子では世界で板橋ただひとりができる難易率3.7の難しい種目だ。完璧にやれば100点台になるが、普通にやれば出せるという80点台をこの日も出すことができていたら、板橋の5種目合計は380点台中盤になっていた。これはロンドン五輪銀メダルを上回る得点になる。