【世界水泳】瀬戸大也と萩野公介。金メダルが生んだ黄金世代のライバル物語
400m個人メドレーのレース後、瀬戸大也(左)を祝福する萩野公介(右) 7月8日に始まった世界水泳では、個人6種目と800mリレーに出場すると、日本水泳界に新たな刺激を与えた18歳の萩野公介。リレーを含めた全種目で決勝に進出して銀メダル2個を獲得する結果は、16年リオデジャネイロ五輪へ向けての期待を膨らませるものだった。
平井伯昌コーチはその挑戦の意味をこう語る。「今回のテーマは狙えるところは狙っていくというもので、萩野の場合、個人メドレー以外は初めての世界大会なんです。だから緊張したり戸惑ったりしても、いろんなことのすべてが経験になるんです」
その初戦が競泳初日の400m自由形だった。この種目は昨年のインターハイ以来、今年の日本選手権を含めて3大会しか出ていない経験の浅い種目。それでも大会前には「日本記録(3分44秒99/松田丈志)を出す自信はある。そうすればメダルも視野に入る」と狙っていた。
午前中の予選では「前半はゆっくり行って後半をちょっとあげただけだから46秒は上出来」という余裕を持った泳ぎで、3分46秒92の4位通過。午後の決勝では狙っていた3分43秒台に届かなかったが、350m4位通過から最後はライアン・コクレーン(カナダ)とコノル・ジェイガー(アメリカ)に競り勝ち、ジェイガーを0秒03に抑えて2位。本人は「銀メダルは嬉しいが、タイムにも自分の泳ぎにも納得できない部分がある」と冷静な表情で話した。
だが平井伯昌コーチは「もう少し速い展開を意識していたが、みんな勝負を意識して遅い展開になってしまった。隣の5レーンを泳ぐコクレーン選手を抜けば銀メダルだと話したが、最初の50mを楽に行ったら抜け出してしまったのでその後を少し抑え過ぎたと思う。最初から飛び出した1レーンのジェイガーが見えていれば少し流れが変わったと思うが、最後にあれだけ力を残していて競り勝てたことは今後にとっても大きい」と評価した。
1 / 4