検索

【大学駅伝】「競り合いすらさせてもらえなかった」チームが全日本7位に 大東文化大がつかんだ箱根上位への手応え (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

【箱根8位以内へは山の攻略がカギに】

 箱根で戦える陣容は揃っている。棟方に加え、次期エース候補の大濱逞真(3年)もいる。大濱は仙台育英高の先輩、吉居大和(中大→トヨタ自動車)を超えることを目指している。今回1区を走った近江、箱根予選会58位の藤原幹大(4年)、同45位で前回の箱根4区6位の松浦、同62位で前回の箱根3区20位の菅﨑大翔(2年)らが軸になる。さらに、全日本の当日変更でメンバーから外れた中澤真大(3年)、補員の鈴木要(2年)、今回起用が検討された若林らが控える。

 課題となる山上りでは、前回5区を走った上田が「リベンジ」を掲げるほか、近江も候補となる。真名子監督が春先から「山のシーサーになれ」と言い続けてきた、沖縄出身の杉本拓海(1年)も名乗りを上げている。山下りにも期待できる選手がおり、11月中には候補者の適性を見極め、起用する選手を決めていくという。

 昨季の悔しさを晴らすべく、次の箱根ではシード権獲得、さらには上位進出を狙う。全日本での戦いは、その目標に向けた大きな糧になった。真名子監督はこう振り返る。

「今まで、うちは駅伝で戦う展開がなかったんです。今回、シード圏内に入ったり、圏外に出されたり、順位が目まぐるしく変わり、テレビに映る範囲で駅伝ができたのは楽しかったですし、いい経験になりました。最後に松浦が競り合いをしましたが、うちは今までその競り合いすらさせてもらえていなかったので、間違いなく自分たちは前進しているなと思います」

 棟方も、競り合いの経験が自信につながったと話す。

「こういう経験を今までできていなかった。今日、それができて結果にも結びついたことは、自信になります。チームの雰囲気もすごくよかったので、箱根に向けていい流れでいけるのかなと。箱根は8位以内を目標にしていて、そのためには、それぞれの頑張りが大事ですが、自分としては区間賞ですね(笑)。区間賞じゃなくても3位以内でいければ、チームとして8位以内も目指せると思っています」

 今回の全日本では、帝京大、順大、日大に加え、東洋大、神奈川大、中央学院大など、箱根でシード権を争うライバルたちに先着した。それだけに、今後は他校からマークされる立場になる。そう水を向けると、真名子監督は苦笑いを浮かべた。

「いや、どうですかね。あまり追われる感じはないですけど。でも、上りと下りがハマれば、シード権争いでも9番、10番というところではなく、6番ぐらいまで狙えるチームだと思うんです。箱根が全日本のように高速レースになると怖いですが、なんとか上位にくらいついていきたいですね」

 大東大が最後に箱根のシード権を獲得したのは、2024年の第100回大会。8位以内に入れば、2009年の第85回大会(4位)以来となる。全日本でつかんだ手応えを力に変え、再び箱根の上位へ挑む。

著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

3 / 3

登録は簡単! チェックを入れてボタンを押すだけ 詳しくはこちら

キーワード

このページのトップに戻る