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【箱根駅伝2026】大物ルーキー・鈴木琉胤(早稲田大)が箱根に刻んだ規格外の4区区間賞 「圧倒的な個」を磨き、さらなる高みへ (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Satoshi Wada

【ルーキーシーズンの歩み、そしてこれから】

 鈴木は中学時代からこの世代をリードしてきた選手で、5000mでは高校歴代2位の13分25秒59を持つ。

 中学時代はサッカー部に所属しながらも、3年時に3000mで全国チャンピオンに輝き、高校に進んでからも着実に力をつけた。3年時のインターハイでは5000mで日本人大会最高記録を打ち立てて2位に入り、全国高校駅伝では1区の日本人最高記録となる28分43秒を打ち立てて区間賞を獲得した。

 そして、早大に進学。ルーキーイヤーの前半戦は5000mを中心に華々しい活躍を見せた。5月の関東インカレでは留学生と互角の戦いを繰り広げ、日本人トップの2位。7月の日本選手権でもシニア勢に割って入って決勝に駒を進めた。

 しかし、その反動は大きく、日本選手権後には左足の足部を痛めて1カ月半ほど走れない期間があった。

「ケガの影響で夏合宿が半分しかできなかったので、すごく不安でした」

 こう振り返るように、前半戦の活躍とは裏腹に、不安を抱えて駅伝シーズンに臨んでいた。

 それでも、出雲駅伝は3区、全日本大学駅伝は2区と、前半の流れを決める重要な区間を任されると、それぞれ区間5位、4位ときっちり役割を果たした。とはいえ、これまでの活躍と比べれば物足りなくも映ったかもしれない。そのレース内容を精査すれば並のルーキーではないことがわかるが、確かに大器の片鱗を少し見せただけに過ぎなかった。しかし、箱根ではその非凡な才能を惜しみなく披露した。

 1年生にしてこの活躍。箱根2区を3年間担ってきた山口智規が卒業する来季、鈴木はその役割を継ぐ有力候補のひとりになるのは間違いない。

 気が早いが、鈴木に箱根の2区について聞くと、こんな回答だった。

「山以外なら、どこを走りたいとかはないんですけど、まあ、そうですね。(自分が)2区をしっかり走れるとチームにもよい気がしますよね」

 新年度には、増子陽太(学法石川高・福島)、新妻遼己(西脇工高・兵庫)、本田桜二郎(鳥取城北高・鳥取)と、暮れの全国高校駅伝を沸かせた選手たちが入学するが、彼らの活躍に刺激を受けつつも、鈴木は"圧倒的な個"をさらに磨いていくつもりだ。

 狙ったレースにきっちりと合わせられるのが鈴木の強さでもある。2年目、トラックでも駅伝でも、大学長距離界を席巻する活躍を見せてくれそうだ。

著者プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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